2015/08/16

SANFORD "KARISMA (PRISMA) COLOR"












中身はこうです。






チェコ軍のメディカルケースのデッドストックを爆安で購入したら色鉛筆にピッタリサイズ、
ブリキ製で、使い込むとメッキが剥げてスチールがむき出し、錆びてアタリがついてくる。シブい。そして頑丈。
もっと買っときゃよかった。。。(足りない)。。かなり後悔中。。(色鉛筆の缶だけって売ってないの?)

(注記:色別にシールでカスタム=「軍用だからもともと付いてたステンシル」ではない)



ほぼ米・サンフォード『カリスマカラー(プリズマカラー)』が入っている。
馬力描きで濃厚な画面(ほとんど油彩並み)にはカリスマカラーが素晴らしく向いていたが、現在繊細で淡いタッチに傾いているので、独・ファーバーカステル『ポリクロモス』が手に合って、徐々にそちらが増えている。
(稼働中のは別のペンケースに入っているので、これは待機組)


フルカラーで描く時はみっちり混色するので色数は大して持っていない。
そもそもキレているので、作画時に悠長に何色もの色鉛筆に目を向けていられない。
3色ぐらいの混色でも同業が舌を巻く絵は描けるので、「色鉛筆は色数を揃えてなんぼ」、のような根拠不明な訳知りの言説は冷笑に値する。好みの(または生理的に描いてしまう)色以外には全く手が出ないので店頭で吟味してバラで買う。
現在単色で描くことがほとんどなので、万年筆のインクよろしく「単色で好みの陰影が出る」色を血眼でお試し中、結果、多色で描いていた時より色数が増えつつある(のでケースが足りない)。



前置きはともかく、カリスマカラーです。

『イーグルカラー』から『プリズマカラー』に移行したあたりから使っているが、
会社の合併の連続やらナニやらの複雑な事情で市場に出回っている現・カリスマ(プリズマ)カラーも複雑怪奇なことになっている。






私が持っている大半(恐らく2年ほど前に買ったものが多い)は、
『PRISMACOLOR』の刻印の上から『KARISMACOLOR』のシールが貼ってあるもの。


しかし、中には
本体に『KARISMACOLOR』の箔押しのみのもの(おそらく最新版)も混じっているのだが、




『USA SANFORD』の刻印が無い。(画像:真ん中)


画像:上が、「シールバージョン」。

そしてさらに、画像:下の個体が、「米国流通バージョン」。



ネット上でちらりと見ると、
「並行輸入の安いやつを買ったらメキシコ製の粗悪な旧『プリズマカラー』だった!」
「旧バージョンだ! カリスマカラーじゃない!!」
とかケンケンゴウゴウ(Amazon上で)。

私は今まで全部日本国内流通版を買ってきたので、「粗悪なメキシコ製」にはお目にかかったことはないんだけど、
ここ(Amazon.co.jp。つまりは日本の消費者間)で誤解があるのは、
「米本国では『カリスマカラー』は売ってない。プリズマカラーしか存在しない」という事実が抜け落ちている点。


画像の一番下の全くデザインの違うやつ、これが米国バージョン。今も「旧」ではなく「現役」のプリズマカラー。
「カリスマカラー?ナニそれ?」なのですアメリカでは。

私はこれを日本の業者から買ったので、「粗悪品」がまぎれていてもしっかり弾かれてるんでしょうな、木軸の質も問題無いし、芯も普通に良い。(ちなみに『Mexico』の刻印は無いけど『USA』も無い)


確かに現行米国版プリズマカラーにはメキシコ製の粗悪品が多数混在してるらしく(芯の質というより、木軸の質が主に悪いらしい。Amazon.USAでも非難囂々)、
諸事情は知らないけど、恐らく「日本人を含む外国人ユーザー(欧州が多いでしょう)ほどアメリカ人が色鉛筆(他の画材/文具も)の質にウルサくない」前提で、アメリカ本国でテキトーバージョンを売り、海外バージョンは別枠で「ウルサくクレーム言われない」ようなのを作って売っている、それをもう『KARISMACOLOR』って名前でキッパリ分けちゃいました、なのかなと。


米国内の質が落ちたのも最近のことみたいだし、
『USA SANFORD』の刻印を消している最新のカリスマカラーも怪しいし、
(なんか少し見ると、サンフォード自体もう別の会社の傘下らしく、『USA SANFORD PRISMACOLOR/KARISMACOLOR』自体、現在存在しないみたい。アメリカのPRISMACOLORが粗悪なメキシコ製混入らしいのは確かだけど、じゃあ、無刻印の『KARISMACOLOR』はだれがどこで作っているの??だがまあ、質に変わりないなら何でもいいんだけど混沌だ)
正確なところは計り知れませんが、質が落ちたら使わないまでのこと。
素晴らしい色鉛筆だからそうなったら惜しいけどね(今の生理がポリクロモスなので対岸の火事的のん気さ)。



いずれにしても、ネームバリューなんか全く知らない上で試しまくって手(目)に合ったのが
カリスマ(プリズマ)カラーであり、現在はポリクロモス。
(軟度、滑らかさではカリスマ、肌理の細かさではポリクロモス。
カリスマカラー愛用時には、「高過ぎて意味不明」でスルーだったカランダッシュ『ルミナンス』も、単色狙いの現在浮上中)。
過去には『三菱7700』(製図用の超・硬質色鉛筆)で会心が描けたり、なのでその時々の手に合うものを使うまで。
この先も不明。


ttm








Faber-Castell Polychromos / Sanford Karismacolor (Prismacolor)